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2017
14
FEB
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ビジネス・戦略・サービス
ハイブリッドキャスト制作のために知ってほしい13のこと
2016年秋頃、スポーツ中継のハイブリッドキャストの制作を担当しました。


ハイブリッドキャストとは・・・
ハイブリッドキャストは、インターネットで使用されているHTMLを使用することから、高画質な画像やアニメーションなどの大量の情報を放送と同じ品質で表示することが可能である。将来的には、番組に関連したインターネット上の情報を提供、ソーシャルネットとの連動、双方放送を利用、スタジオを自分好みに変更することが可能になる予定である。
(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/NHK_Hybridcast

データ放送が放送波に情報をのせ画面表示するのに対し、ハイブリッドキャストは放送中の映像に合わせてインターネット経由で情報を配信することができます。
これにより、テキストや画像などWEBブラウザと同じように表示することが可能となります。

ここでは、ハイブリッドキャストの制作は初体験という方のために、あらかじめ知っておいて欲しい13の基本事項をまとめました。


1.データ置き場は任意のサーバでOK


必要なコンテンツは任意のサーバーに置くことができ、TV内ブラウザは放送波にのせられたURLにアクセスしコンテンツを表示します。



2.ハイブリッドキャストの入り口はdボタンから


ハイブリッドキャストの表示は、まずTVリモコンのdボタンからデータ放送を表示し、次にデータ放送のUI内に設置されたハイブリッドキャスト切り替えボタンを押下してコンテンツを表示させました。
このようにハイブリッドキャスト対応のTV番組ではデータ放送と並行して開発が行われている事が多いようです。



3.必要な開発環境を整える


ハイブリッドキャストの開発には専門的な機材やインフラが必要となります。
このプロジェクトではTV局内に敷設された検証用の放送ネットワークを利用しました。
これにより擬似的なTV放送にハイブリッドキャストが表示され、TVモニタの前で画面開発を行うことができます。
同時に、ハイブリッドキャスト向けのHTML5コンテンツ開発支援ツール「Monaca for Hybridcast」を活用して、開発・検証に取り組みました。



4.限られたリモコン操作でも耐えうる設計を


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TVリモコンで入力可能な操作は決定ボタン、戻るボタン、青・赤・緑・黄ボタン、十字キーです。
操作感はガラケーサイトに近いかもしれません。
このリモコンでも容易に操作が行える画面設計をする必要があります。



5.画面デザインはスクロールなしが正解?


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企画次第となりますがハイブリッドキャストの画面デザインはスクロール無しで1画面で収まるレイアウトが望ましいと感じました。
ページに収まらないコンテンツをスクロールにより表示させる方法もあると思いますが、TVの視聴体験においては直感的ではなく本来の目的である映像コンテンツのジャマになってしまう可能性があることから、ボリュームのあるコンテンツはページ切り替え機能を用意しました。



6.レイアウトはCSS制御の範囲内で


ハイブリッドキャストはHTMLの中にTV放送のコンテンツを埋め込むだけなので、映像の上にHTMLの要素をオーバーレイさせたり、データ放送の様にL字にするなど、CSSで制御できる範囲でレイアウトすることが可能です。



7.実装は対応機種にご用心


番組の性質上リアルタイムで表示を変化させるために、シングルページアプリケーションによる開発を行ったものの、ソケット通信に関しては一部の機種で対応していないという不確定情報がありリスク回避のため実装は見送りました。



8.TV端末ごとの罠


基本はWEB制作におけるHTMLと同じなので、TV放送のコンテンツをどのようにレイアウトするかはCSSによって制御します。この点においては従来のデータ放送と違い、はるかに自由度があります。
ただし、PC以上にTV機種ごとのブラウザ仕様にクセがあるため複雑な実装は控えたほうが良さそうです。



9.デバッグ機能を用意しよう


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ハイブリッドキャストを表示するブラウザにはブラウザ自身のUIはありませんので、ログの表示や、更新ボタン、キャッシュのクリアなど、必要に応じてデバッグ機能を用意する(リモコンに機能を割り当てるなどの工夫をする)と開発は効率的になります。



10.データ放送との連携は必須


ハイブリッドキャスト画面を開く閉じるの操作や、放送終了、またはハイブリッドキャストのみ終了させるにはデータ放送との連携が必要となります。



11.サーバー環境は、コンテンツに合わせた最適な構築を


前述の通りハイブリッドキャストに必要なコンテンツは任意のサーバーに置くことができます。
ハイブリッドキャストの通信の特徴は、全てがTV放送と連動している点です。
番組開始と共にハイブリットキャストが表示され、番組内のイベントと共に大量のリクエストが発生します。
視聴率、対応TVの普及率を鑑みた最大トラフィックを計算しサーバー環境を構築する必要があります。



12.ド派手なアニメーションでハマらないよう注意


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ハイブリッドキャストはHTMLを表示できますが、全てPCやスマートフォンと同じようにはいきません。
TVの機種毎に仕様が異なるのはもちろん、CPUのスペックが低いためレンダリングに時間がかかるのが特徴です。
ド派手なアニメーションは控えた方が無難です。



13.検証は重要度と負荷「高」


ハイブリッドキャストの表示は番組の進行に大きく影響するため、本番の放送と同等の検証を何度も行わなければなりません。必要なシナリオを用意し、技術面、運用面に無理が無いか確認することが大切です。




■まとめ


ハイブリッドキャストコンテンツの制作にあたって苦労したのは、開発事例が大変少ない事です。
その開発や運用には専門の環境が必要となり、「誰にでも簡単に」とはいかないのが実情です。
効率よく開発するにはTV局の専用機材が必要となりますので、プロジェクトの立ち上げのタイミングでどのような開発フローにするのか確認が必要となります。
ちなみにSONICJAMの場合、開発中はほぼ毎日TV局の検証機材前での作業となりました。

ハイブリッドキャストのプロジェクトを成功させるには、
効率良い開発環境を構築できるか、そしてそこには専門知識をもったTV局やパートナーの協力が不可欠となります。

それでは、良いハイブリッドキャストライフを。


■参考リンク


ハイブリッドキャスト対応テレビ一覧
http://www.iptvforum.jp/hybridcast/receiver.html

Monaca for Hybridcast
http://www.asial.co.jp/business/monaca_for_hybridcast/

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