COPYRIGHT © SONICJAM ALL RIGHTS RESERVED.
2016
28
APR
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深掘りWORKS
ハル研究所さんに直撃!「弊社との仕事、どうでした?」
1月にリニューアルした、ゲーム開発会社「ハル研究所」のコーポレートサイト。
『星のカービィ』シリーズなどの開発を手がけた憧れの会社のサイトに携われるとあって、鼻息荒くスタートしたこのプロジェクトですが、次々と立ちはだかるのは「ハル研らしい遊び心をどう表現するか?」「ゲームファンを裏切らないサイトとは?」という難問ばかり。果たして完成までにはどんなストーリーがあったのでしょうか?
ハル研究所のご担当者さまをゲストに迎え、制作秘話をお届けします。

ハル研究所 コーポレートサイト:http://www.hallab.co.jp/
ハル研サイト 制作の概要はこちら:SONICJAM制作実績 | ハル研究所

写真左から
SONICJAM デザイナー 木村
SONICJAM ディレクター 近藤
ハル研究所 黒木様
ハル研究所 帯金様
SONICJAM テクニカルディレクター 秋元
SONICJAM プロデューサー 松澤

以下敬称略

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いたずらが生んだ偶然の産物


近藤:公開後、社内のみなさんの評判はどうですか?遊びに厳しい方々だと思うので、内心ドキドキしていますが...

帯金:がらっと印象を変えていただいたので、「すっきりして良くなった」と声をかけてもらえています。うちのプログラマーたちは「どうやって実装したのか」という中身にすごく興味があるみたいで。TOPに、新キャラクターの「ブラン」で遊べる隠しコマンドをつけたじゃないですか。公開した翌日にプログラマーがニコニコしながら私のところまできて、「全部見つけました!」って。

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秋元:さすがです。

近藤:この隠しコマンド、もともとは松澤がいたずらでつくった偶然の産物だったんですよね。TOPに実装したブランのモックで遊んでいたらできちゃった。

帯金:そうそう、いきなり「こんなのできました」って見せてきて。ブランで「ハルケン」って文字ができていました。おぉこれはすごい!と。

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秋元: 隣のラップトップをちらっと覗き込んだら、すごいのができていて。

松澤:ははは...。

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帯金:それを見て秋元さんも何か黙々と手を動かし始めたかと思ったら、「僕もできました」と。「こういう遊び方がある、じゃあこんなこともできるんじゃない?」ってアイデアが広がった瞬間でした。

黒木:自然と手が動いて遊んでしまうってサイトってことですね。


手書きラフの提案から嗅ぎ取った「同じ匂い」


秋元: リニューアルは10年ぶりなんですよね?

帯金:そうなんです。いろいろな事情があったんですけど、WEB制作会社の選定もなんだかんだで2年間くらいかかりました。

木村:2年も探されていたんですか!

帯金:でも、探せば探すほど、うちとWEB制作会社さんとの「ものづくり」に対する温度差が際立ってきてしまって。
そもそも、制作物の最終形態が違うからスタンスも違うんですよね。私たちは「ゲームソフト」というパッケージ商品を作っているので、世の中に出たらもう手は入れられない。だからとことん細部まで作り込むんだ、というスタンスの会社なのですが、WEBサイトはアップデートできるじゃないですか。
うちの「ものづくり」の姿勢をWEB業界の方に分かってもらおうというのはなかなか越えられない壁があって、いつもそれにぶつかってしまう。だからじっくり付き合ってくれるところじゃないとダメだと思っていました。
そんな中でソニックジャムさんに辿りつき、メールだけでも、と思って送ったらすごくいい返事が返ってきて。「あれっ、これはもしかしてお話聞いてもらえるかな?」と。

近藤:それでコンペに参加させていただいて。

帯金:ハル研のサイトって、技術はもちろん、世界観とか遊びっていうのをものすごく大事にしているので、それをきちんと表現できる会社さんを重視していたんです。今あるハル研のサイトからジャンプして、もう一つ先を見たいっていう期待に応えて下さったのがソニックジャムさんで。世界観の提示の仕方がハマりましたね。プレゼンで木村さんのラフ絵を見た瞬間、「あっ、これでいいじゃん!」と。


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木村:世界観をどう理解しているかをお伝えするために、ストーリーを鉛筆のラフ画でお見せしたんですよね。大事なコンペの資料なのに、こんなフリーハンドのラフ絵でいいのかすごく不安でしたが...。

近藤:「サイトをどう作る」とか「誰に届けるのか」というのは、実際にやると決まってからがっつり話し合う時間をもらうのを大前提に、まずはオリエンに対する僕らの理解度だったり、「貴社のプランにコミットしますよ」という姿勢を前面に出せる企画書をぶつける作戦でいこうと。
というのも、オリエンの資料を頂いた段階で、コンテンツやキャラクターのイメージをハル研さんの方で既にしっかり作られていたからなんです。 普通はあまり固まっていない状態でお話をいただいてから、「貴社のビジネスはこうなので、こういうコンテンツがいいと思います」っていう提案で勝負することが多いのですが、核となる部分がすでに決まっていたので、どのような提案をしようか結構悩みましたね。

松澤:初回であまり作り込みすぎたデザインをお出ししても、逆に互いが持っている世界観の擦り合わせの余地が無くなってしまうと思ったんです。仮に多少いいデザインを出せたとしても、「なんかちょっと違うんじゃない?」っていう違和感が際立つ気がしていました。だから、「デザインをせずにデザインを出す」という戦略で、この鉛筆のラフ絵に落とし込みました。

木村:最初、デザインをせずにデザインを出してくれと言われたときには、「一体この人は何を言っているんだ!?」と思いましたけどね。

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黒木:鉛筆描きってだいぶズルいんですけど笑、そのズルさも込みで、鉛筆描きのラフでこれほど雰囲気を出してくれるんだったら、最終的にも良いものを作ってくれるはずという期待はありましたね。
そもそも提案をいただくにあたっては、我々のポリシーを実現するために「こういう提案ベースで提案してほしい」というものがないと作れるわけがないという考えでいたんです。だから、初めから内容をある程度詰めた企画書をお見せしていました。

帯金:黒木と私の間で半年くらい構想を練っていましたよね。そこからどれくらい膨らませてもらえるかというのが私たちが期待していることで。
実際、一番最初の企画から、核となる部分以外は大きく変えたじゃないですか。でもそれくらい無茶を言える会社じゃなきゃ、もうこの企画はやめようと思っていました。それで2年も同じ匂いのする会社を探していたので。「同じ匂い」ってすごい大事なんですよ。


悩まないでできたものは、誰もが考えつくものにしかならない


木村:新キャラクターの「ブラン」も紆余曲折、試行錯誤しましたね。

黒木:私は初期のデザインができたときに「あっ、これはいける」と思いましたよ。一番このときの話で気に入っているのが、「このままスマホケースにできるね」っていう話。応用が思いつくというのは、キャラクターとして自立している証拠ですので。デザインの完成度は最初から非常に高かったですね。

木村:2ヶ月くらいミーティングを重ねる中で、細かい設定とか、どういう風にキャラクターをつくっていくかをチームとして一緒に設計できたのは良かったです。

帯金:私はラフ画の鉛筆の感じがとても気に入っていて。最終的にすごいワガママをいって、鉛筆の感じをどうにかして出してほしいって言い続けていましたね。
「ラフ画を綺麗にしたらこういう感じになります」って整形したものを出してくれたんですけど、やっぱりそうじゃないんです、これは私が思っていたのと違う、と。
あれはあくまでラフだから!と黒木に何度も怒られたんですけど、いや手書きじゃなきゃ良さが消えちゃう!どうにかならんかって。どうしても譲れなかったんですよね。

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木村:今の流行りだとすごくスッキリしたのが時流ですけど、流行りか流行りじゃないかっていうのとはもう別のところですよね。我が道行っている感じ。思い返せば、試行錯誤も結構楽しかったです。

秋元:そうですね。一から全部作らせていただくことって、例えば予算だったり時間の都合でできないことが多いんですが、今回は全ての要求をいただきつつ、半年間をフルに使って全てを出し尽くした感じはあります。

帯金:進めていく中で、どこかで楽しんでやってくださるっていうのが分かったので、こちらもぶつけるだけぶつけて、ダメって言われたらダメでいいやっていう風にいい意味で遠慮をしない信頼関係が築けましたね。それこそ私たちが望んでいる、一緒のチームで作ってもらうっていうことなので。

黒木:誰も悩まなくてものが作れているとしたら、それは誰もが考えうるものにしかなりませんから。みんな悩んでいて、でも時間内にちゃんと収まるっていうのが本当の仕事じゃないですかね。


「俺物理」の精神


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黒木:ブランの遊び方については、1つターニングポイントがあったんですよ。
松澤さんの会議中のいたずらから、「ブラン」で字が表現できるってことに気づいて、色々なパターンの「ブラン」を隠しコマンドに仕込もうということになりました。当初、私のオーダーとしては、指定したらその文字に組まれた「ブラン」が単純にポンと出現する実装で良かった。でもソニックジャムさん側で、文字から文字へ、その配置になるまでの遷移まで考えてくださって。できあがったものは、どの文字をどのタイミングで出しても、いい感じに遷移するものになっていました。

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それを見て、「お、これはデジタル時計のアニメーションもすぐできるんじゃないかな」ってふと思いついて。でも実装大変だろうなということは容易に想像できたので、ぽろっと何かのついでに「時計みたいなこともできたら面白いですね」って呟いただけなんですけど、あっという間に実装されていましたね。

帯金:特に時計は評判いいですからね。時計が出たら、スクリーンセーバーみたいにずっとその画面のまま取っておくという人もいました。

黒木:このブランのバネの力も、すごくこだわっているんですよね。あたかも同じパラメータで同じ長さになっているように見えますが、実は職人芸で1個ずつパラメータが違うんです。バネの処理って普通に計算して出すと、下の方が重いので伸びちゃって汚く見えてしまう。そこを実装でいい感じにしてくださって。それを知って、いろいろな仕様を追加で盛り込むのをやめました笑。物理演算でもなんでもなく、完全オリジナルの「俺物理」なんですよね。

帯金:ゲームの世界は「俺物理」が当たり前なんですよね。ゲームのプログラマーはみんな「俺物理」を持っています。

黒木:そうそう。例えばジャンプは普通放物線でできるんですけど、放物線でなんて絶対に実装しないんですよ。動きがヌターッとしてしまって、ボタンを押した時の反応が気持ち悪いから。そういった感覚的な「俺物理」の処理を、もう弊社の社員が乗り移ったかのようにやっていただいて。うちと同じ匂いっていうのをここでも感じましたね。


やがてはゲーム業界を目指す子どもたちへ


近藤:普通はぎゅっとこちらで凝縮してご提案することが多いですが、一緒にペルソナの名前を決めるところから、毎週の打ち合わせを通じて本当に丁寧に作らせていただきました。

黒木:おかげでまったくブレなかった。誰に届けるのかっていうのを共通言語で話すことができました。

帯金:カスタマージャーニーを引いていただいた時、子どもの導線がない、という課題が見つかりましたよね。それが分かったので、大人から子どもに見せてもらうという舵切りをして、「ゲームができるまで」という子どもむけのコンテンツをつくったんですが、公開後の反応は上々です。

黒木:「ゲームができるまで」のテキスト部分は私が担当したのですが、ちゃんと子どもに分かってもらえる内容になっているか気になって、アップする前にうちの子に見せたんです。そうしたらまぁまぁ面白がってくれて、意味もだいたい分かってくれたんですが、最後にでた感想が、「ゲームを作るのって大変なんだねぇ」ってしみじみ。あれ、これって悪い方に捉えられてる?って逆に心配になっちゃいました笑。

帯金:でもそれ、いい反応ですよね。自分たちがいま遊んでいるゲームは、たくさんの人たちがこんなに頑張って作っているんだって。そのメッセージが心の中に残った子たちが、将来ゲーム業界を目指してくれると願っています。

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全員が「夢と現実の狭間」「ずっと熱かった...」と振り返る、濃密な半年間。冒頭にも話題に上がっていた隠しコマンドは、何かと何かをどうにかすると見つかるかも...?
ぜひいろいろサイトを触って探してみてくださいね。

ハル研のみなさま、ありがとうございました!

SONICJAMでは、同じ匂いを感じてくださった方からのお仕事・お問い合わせもどしどしお待ちしております

ハル研究所 コーポレートサイト:http://www.hallab.co.jp/
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