株式会社ソニックジャムの社長ブログ

コンセプトのつくりかたおすすめ本

2017年6月27日

> コンセプトのつくりかた / 玉樹 真一郎

任天堂Wiiの開発担当の玉樹さんの本。平易な文体なのでとても読みやすいですが、内容は奥が深いです。特に印象的だったポイントは、

・「良いものをつくる」はコンセプトにならない
誰もが理解できる既知の良さだけではコンセプトにはならない。未知の良さによってしか、世界を変えてしまうほどの「良いもの」は生み出せない。

・「できっこない」を見つける
「悪い」と否定されてしまうビジョンほど、実は「未知の良さ」を含んでいる可能性が高い。

・コンセプトとはビジョンとアイテムの集合体
何をしたいか?(ビジョンの集合体) + 何を用いるのか?(アイテムの集合体)

・差別化はコンセプトではない
コンセプトの結果、他と違うものができる。コンセプトにもとづかない差別化だけでは、世界を良くできない。

・アイデアの拡張法(ズラす質問)
(1)逆に言うと、どうなる?さらに突き詰めていくと、どうなる?
(2)悪いことを「絶対に避けられないこと、それが真実だ」と仮定すると、どうなる?
(3)立場をズラしたら、どうなる?
(4)関係のない物事を、無理やりつなげるとどうなる?
(5)悪いことについて「自分も悪いことをしている」と仮定すると、どうなる?
(6)本音としては、どう? / 建前としては、どう?
(7)2つの悪いことを掛け合わせる(または、同時に引き起こす)と、どうなる?
(8)時期をズラしたら、どうなる?
(9)ドラマ・小説・映画・アニメ・音楽に例えるなら、どうなる?

・業界の分析にポーターの5フォースが有効

会社でも国でもプロダクトでもサービスでも、コンセプトが重要な時代、というのはみんな気づいているとは思うんだけど、日常のさまざまな場面では、自分でコンセプトを考えるのをわざと避けてる?かのように思えるときがあります。決めてくれれば従います、みたいな放棄型。それって当然こういうものでしょ、みたいな決めつけ型。または未知なものに対する不安、責任を負うことの恐怖、などから無意識的に避ける。わかる、わかるよ。

そもそも最初に戦略がなければコンセプトを考えることはできません。例えば、新しいゲーム機を開発する、という戦略があって、Wiiのコンセプトが生まれた、みたいな。そして戦略自体も会社の方向性とかビジョンの実現のための大事なコンセプトですが、そういうのは偉い人が決めればいいでしょ〜と決めつけてしまう人が多いように思います。自分たちに関わる大事な部分なんだから、最大限組織の力を結集するべきところなんじゃないかな。自分でも、具体的な戦略について、ポーターの5フォース分析とか、SWOT分析とかをみんなで使ってみたいなと思ったりしました。

リーダーの役割は、素晴らしい戦略とかコンセプトを自分で思いつくことではなく、みんなの力を合わせて知見を引き出して形にすること。そしてそれが世界を良くすることだと信じて、自分がそれをやるんだとあきらめずに続けること、なんだろうな。それってまさに勇者。今こそ、冒険の旅に出よう。

リーダーは神であるべきか? 〜スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで〜おすすめ本

2017年1月17日

> スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで / ブレント・シュレンダー, リック・テッツェリ

清水亮氏おすすめということでKindleで即購入。読みやすいということもあり、週末で上下巻一気に読みました。

いやー面白かったな。内容的には知ってる事件ばかりでも、よりジョブズのリアルな人間像に迫っていて、これまでの神扱いとは違いドキュメンタリーとして読み応えがある。構成力と文章力(と翻訳力?)が高く、小説を読むようで、ドラマチックな感動を呼ぶ。ちとおおげさかな。

特に印象的だったのは、iTunes → iPod → iPhone → iPadと開発していく流れ。世間的には、まるでジョブズが未来を全部見通してすごいビジョンをつくり出したかのように語られがちだが、実際は全然違う。

「旅立ちのころにはどこに行きつくのか皆目見当もつかなかった。だから、勘を頼りに進むしかなかった」
「音楽は、絞り込んだ視界のへり近くにちらちらと見えているだけだった。だが、いま、その音楽に進出しなければならないと直感が告げている。それも急いで、だ」
「どの点とどの点がつながるのかは、終わったあとにふり返ってみないとわからない」
「あちこちで常に可能性がぶくぶくと泡立っているのがアップルであり、その可能性を整理し、なにかまったく新しいものへとつなげる道筋を思い描くことがスティーブの仕事なのだ」

常々思っていることだが、すごい経営者とか完璧な事業戦略を人は求めがちだが、そんなの神様でなければ無理だ、無理無理。で、それに対して「うちの経営陣がバカでさ〜」とか居酒屋でクダを巻いてるだけでは、当たり前だが何の足しにもならない。それは組織のシステム全体で解決していくべきことなんだと思う。それについては今まさにSONICJAMで取り組んでいることなので、またいずれ語る、かもしれない。

ま、とにかく、本はおすすめです。

チームが機能するとはどういうことかおすすめ本

2016年9月22日

> チームが機能するとはどういうことか / エイミー・C・エドモンドソン

とても興味深い本だが、どうにも日本語が読みづらい。元の文章の問題か、翻訳の問題か。「自足できる農家や商店の経営者は、何世代にもわたって気候の変化や病気に直面し、生き延びる方法を見つけており、さりげなく、しかし厳然と、秩序の信奉者へと姿を変え、人間味のない企業から給与を受け取るようになっていった。」「トップダウン・マネジメントの実行は、科学的管理法として知られるより広範な組織的方法論の構成要素になっている。」みたいな・・・

以下、自分用の内容整理メモ。

チーミングの4つの柱

  • 率直に意見を言う
  • 協働する
  • 試みる
  • 省察する

<チーミングを妨げるもの>
根本的な帰属の誤り、例えば、誰かが遅刻したときに、本人は電車のせいだと思い、周りは本人の意識の問題だと思ってしまう。

特にポイントは「省察する」だろうな。どの組織のどんな仕事でも、ひとつひとつのプロジェクトをちゃんと振り返って次へのナレッジへつなげられているケースは少ないんじゃないか。やり方はそれぞれの組織に合った形でいいんだと思うんだけど、うちも15年ずっと課題でいまだに全くできていない・・・とほほ。しかしいよいよこれに本格的に取り組むときが来た・・・。これがシステムとして稼働するようになれば、組織のエンジンが動きだす。

チーミングのための4つのリーダーシップ行動

  • 学習するための骨組みをつくる(フレーミング)
  • 心理的に安全な場をつくる
  • 失敗から学ぶ
  • 職業的・文化的な境界をつなぐ

<フレーミング>
リーダーの役割、チームの役割、プロジェクトの目的、を確立すること。
リーダーは相互依存の協働メンバーであること。メンバーはプロジェクトに不可欠な存在であること。
それらをしっかり伝えるリーダーとメンバーのコミュニケーションが重要。

わかっちゃいるけど、長年仕事してると、惰性というか、なあなあというか、また次の仕事だよ〜、たるいな〜、とかいう雰囲気になってしまうことが往々にしてある。それが望んでもなかなかかなわないような貴重な機会だったとしても、それが続くと感覚が麻痺してきて、ありがたみがわからなくなってしまうのだ。・・・ドラえもんのありがたみわかり機のようなものはないものか。そうなると真のリーダーとは、惰性と戦い続けるメンタリティを持ち、メンバーとコミュニケーションがとれる者でなければならないのだな。しかし人間だもの、疲れてへとへとのところにまた仕事がきたら、誰だってえ〜また〜ってなるよな。そこのフレーミングのために必要なのはひとつはやっぱり「省察」なんだろう。達成した喜びと達成できなかった悔しさを次へつなげていく。スポーツ選手がまた次のシーズンや試合へ挑むように。

ていうか「省察」ってみんな一般的に使う言葉か?だからこの本読みにくいんだよな・・・

知識創造企業への(長い)道おすすめ本

2016年3月19日

> 知識創造企業 / 野中 郁次郎・竹内 弘高

最近、本の投稿が多いな。まあ確かに勉強欲ずっと高いですけど。
この本は有名なので持ってる人も結構いるかもしれません。持ってるけど読んでない人(自分もそうだった)も結構いるかもしれません。コツは、第三章から読み始めること。第一章〜第二章は予備知識的な内容なんですが、ここで挫折する人多数(予想)。

以下はポイントのみを抜き出したメモ。自分の備忘として書いたものなので、これを見ても意味がわからないかもしれませんが、せっかく書いたのでここにも保存しとく、と。

なんでこんなことを勉強しているかというと、やっぱり自分たちのやっている仕事が、毎回毎回ノウハウの使い捨て、みたいに思えてしまって、これだとビジネスとして成立してないんじゃないかと。また、クリエイティブの世界で、個人やフリーランスと組織の違いというか、組織の必要性を考えると、必然的にこういうところに行き着くわけです。
そうしてSONICJAMも知識創造企業への(長い)道のりを歩き始めました。来週、同志社大学の教授を招いての勉強会です(おそらく詳細は後日書きます)。さてさて、まだ道の長さも想像できませんが・・・



<SECIモデル>

-- 共同化 (Socialization)
暗黙知 → 暗黙知
経験を共有することで暗黙知を創造するプロセス

 ・ホンダの開発プロジェクトのブレスト合宿
 ・松下のパン焼き器の職人の観察
 ・NECコンピューター開発での開発者と顧客との交流

-- 表出化 (Externalization)
暗黙知 → 形式知
暗黙知を明快なコンセプトに表すプロセス
メタファーとアナロジーを効果的に使う

 ・RX-7のコンセプトは演繹法と帰納法の組み合わせ
 ・ホンダ・シティのコンセプト
 ・キヤノンのカートリッジのコンセプト

-- 連結化 (Combination)
形式知 → 形式知
コンセプトを組み合わせて知識体系を創り出すプロセス
企業ビジョン、事業コンセプト、製品コンセプトを分析して具体化する

 ・クラフトのPOS活用
 ・アサヒビールのコンセプトとドライ開発
 ・NEC、キヤノン、マツダのグランドコンセプト

-- 内面化 (Internalization)
形式知 → 暗黙知
形式知を暗黙知に内面化する
書類、マニュアル、ストーリーなど言語化・図式化
ほかの人の経験を追体験しなくても内面化できる
体験の拡大が重要

・行動による学習例:松下の労働時間一ヶ月体験



<マネジメントモデル>
トップダウンは形式知を扱うのに向いている
しかし暗黙知の成長を無視している

ボトムアップは暗黙知の処理が得意である
しかし自立性重視が共有を難しくしている

ミドル・アップダウン・マネジメント
ミドルマネジャーを知識マネジメントの中心に位置づける

ナレッジ・プラクティショナー
  第一線の社員とミドル・マネジャー
  暗黙知と形式知を蓄積、創造、更新する

ナレッジ・エンジニア
  ミドル・マネジャー
  ビジネス・コンセプトや製品コンセプトを創る
  会社のビジョンにしたがって新しい知識を創り出す

ナレッジ・オフィサー
  トップ・マネジャー
  組織的知識創造をマネージする
  Management By Walk Around
  (1)会社のグランドコンセプトを創る
  (2)企業ビジョンやステートメントで知識ビジョンを確立
  (3)知識の価値を正当化する基準を設定



<組織構造>
ハイパーテキスト型組織
3つのレイヤーが同じ組織の中に存在する

プロジェクト・チーム・レイヤー
  プロジェクトチームが製品開発などの知識創造活動

ビジネス・システム・レイヤー
  ルーティン業務を効率よく行う官僚制的構造

知識ベース・レイヤー
  2つのレイヤーで創られた知識を再分類・再構成する
  組織実態は存在せず、企業ビジョン、組織文化、技術の中に含まれている

マンガでやさしくわかるU理論おすすめ本

2016年3月 6日

> マンガでやさしくわかるU理論

先入観を捨て、相手の立場になって考える。

ただそれだけのある意味当たり前のことを、理屈っぽく理屈っぽく一冊かけて説明している本。しかしそうやって説明されると、納得感が出てくるものだ。マンガで・・・とあるが、マンガの部分は少なく、結構普通に読むところが多い。まあでも、文章だけよりはだいぶ親しみやすくはなってるかも。

しかしこれがわかっていても、実行するのは難しい。おそらく「日頃相手の立場になって考えてますか?」と問うたら、多くの人は自分ではやってるつもり、というだろう、たぶん。なぜなら想像力のない人は、自分以上に想像力が必要だということが想像できないからだ。

これがわかっているか、できているか仕事上でのチェックポイント。
・コンペや提案の際、自分たちのことばかりで、発注者や競合のことを想像していない
・不満や要求ばかりで、それが元で自分が人に迷惑をかけていることに気づかない
・すぐクライアントやパートナーの悪いところや不満を言う

逆に言うと、これができていれば、チームの人間関係もよくなるし、クライアントの気持ちがわかれば仕事も楽しくなるし、ユーザの気持ちがわかれば企画も当たる、ということで、いいことづくめ!か?

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