リーダーは神であるべきか? 〜スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで〜

> スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで / ブレント・シュレンダー, リック・テッツェリ



清水亮氏おすすめということでKindleで即購入。読みやすいということもあり、週末で上下巻一気に読みました。

いやー面白かったな。内容的には知ってる事件ばかりでも、よりジョブズのリアルな人間像に迫っていて、これまでの神扱いとは違いドキュメンタリーとして読み応えがある。構成力と文章力(と翻訳力?)が高く、小説を読むようで、ドラマチックな感動を呼ぶ。ちとおおげさかな。

特に印象的だったのは、iTunes → iPod → iPhone → iPadと開発していく流れ。世間的には、まるでジョブズが未来を全部見通してすごいビジョンをつくり出したかのように語られがちだが、実際は全然違う。

「旅立ちのころにはどこに行きつくのか皆目見当もつかなかった。だから、勘を頼りに進むしかなかった」
「音楽は、絞り込んだ視界のへり近くにちらちらと見えているだけだった。だが、いま、その音楽に進出しなければならないと直感が告げている。それも急いで、だ」
「どの点とどの点がつながるのかは、終わったあとにふり返ってみないとわからない」
「あちこちで常に可能性がぶくぶくと泡立っているのがアップルであり、その可能性を整理し、なにかまったく新しいものへとつなげる道筋を思い描くことがスティーブの仕事なのだ」

常々思っていることだが、すごい経営者とか完璧な事業戦略を人は求めがちだが、そんなの神様でなければ無理だ、無理無理。で、それに対して「うちの経営陣がバカでさ〜」とか居酒屋でクダを巻いてるだけでは、当たり前だが何の足しにもならない。それは組織のシステム全体で解決していくべきことなんだと思う。それについては今まさにSONICJAMで取り組んでいることなので、またいずれ語る、かもしれない。

ま、とにかく、本はおすすめです。