アンプ修理中(また新しい趣味)

包丁研ぎに続く新しい趣味ができました。それはアンプ(オーディオ機器)を修理することです。

オーディオ自体は前から好きで、ビンテージ機材なども多少持っているんですが、直接的なきっかけは今年の4月くらいにたまたま見たヤフオクで、昔から興味のあったJBLのビンテージスピーカーがかなり安く出品されていたのを見てしまったことです。思わず落札してしまい、届いてみると・・・安かっただけあって想像以上にボロボロでした。これは失敗したかと落胆したのですが、それならいっそ自分で修理してやろうと奮起(?)し、消耗部品の交換や、塗装のやり直しなど数週間かけてやりました。今は自分の仕事デスクの背後に置いてあり、オンラインミーティングで「なんなのその大きなスピーカーは?」と話題になっている(?)ものです。大音量で鳴らすと(すぐ背後なので当然)かなりうるさいのですが、ある程度期待どおりのビンテージらしい温かみがありつつ抜けのよい音を出してくれます。最新のスピーカーのようなクリアさや音域の幅広さはないですが、基本的には「JAZZのベースの音が心地よい」かどうかというのが私のオーディオの大事な軸なので、その点では合格です。

ところで、私は工学部電気電子工学科というところを卒業しておりまして、基本的に電気回路いじり的なことが好きなのです。そこでスピーカーの次はアンプを修理したい、という気持ちがムクムクと大きくなりました。もうひとつ現実的な目的としては、自分でビンテージアンプを使っているので、もし調子が悪くなったりしたときに自分である程度メンテナンスできるようになりたい、というのもありました。そこでまずは練習ということで、ハードオフやヤフオクでジャンク品のアンプを安く購入し、修理してみることにしました。

それにしても今はよい時代です。YouTubeでそういったアンプ修理動画を見ることができます。同じまたは近い機種の修理動画を見ると大変参考になります。または同じ趣味の方々の修理過程を詳細に書かれたブログ。これらのネット情報がなかったら、素人がいきなりアンプを修理するなんて不可能だと思うのですが、そういった情報を元に見様見真似でいくつかのアンプを無事修理することができました。同時にいくつか書籍も買い込み、学生時代を思い出しつつ電子回路を学んでいます。

ハードオフで2000円で買ったジャンク品でまともに音が出なかったアンプを、修理してハードオフで売ったら2000円で買ってくれました。販売価格はおそらく5000円以上とかになるのでしょうか。修理のおかげで価値が上がったわけです。お金が儲かったわけではないですが、まあちょっとした満足感はあります。

そういったわけで徐々により高いアンプにも挑戦し・・・今は主に80年代の8万〜10万円(当時の定価)くらいの日本のメーカーのアンプを修理しています。当時はそういった商品が人気で、自分もサンスイのアンプ(α607)を使っていたものでした。今はサンスイもオンキヨーも経営破綻してしまい、さびしい限りです。しかし回路を修理していると、当時の技術者の工夫や熱意を感じます。サンスイのアンプには独創的なアイデアを感じるし、オンキヨーのアンプはすごく丁寧につくられているし、DENONのアンプはコストダウンの工夫がうまい。

そんな古き良き日本の技術に敬意を表し、なんとか直してあげたくなるのです。