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#001

Nov. 2018

Imagine What’s Next?

次、なにつくる?遊び心と好奇心

01

Interview

新しい体験を生み出す、これからの時代のモノづくり

  • PCが日常生活から消え、あらゆるものがデジタル化されている時代、私たちの体験は、そしてその生み出し方は、どう変化していくのでしょうか。SONICJAMでデジタルデバイス開発を中心に活動する、“SONICJAM.plus”に、これからの話を聞いてみました。

    SONICJAM.plus

    何が起こるか予想させないために

    ——最近のSONICJAM.plusのアウトプットを見ていると、ディスプレイが設置されていないものが多い気がします。

    酒井: 操作的に一番分かりやすいのは、単純にディスプレイやタッチパネルをつけてしまうことだと思うんですが、そうしてしまうとデジタル的な技術を使っていることがバレて、「はいはい、何か仕組みがあるんでしょ」「普通じゃん」と思われてしまう可能性があって。

    ——演出や動きの予想ができてしまうと、面白さが半減しちゃいますもんね。

    酒井: 今開発しているのは、笑顔をトリガーに回せるガチャガチャなのですが、やはり躯体からディスプレイを一切排除して、一見アナログのガチャガチャに見えるようにこだわっています。裏にこっそりテクノロジーを忍ばせて、予想していなかった体験への驚きを追求していきたいですね。

    マジックのトリックを隠すように、デジタルをカモフラージュ

    ——今後のデジタル体験には、ディスプレイは不要になってくるんでしょうか?

    福地: そもそも“デジタル体験”という言葉自体が曖昧になってきていますよね。「これはデジタル体験か否か」と言われて線引きするのが難しいものもありますし。

    ——おっと確かに、痛いところを突かれた…。ここでいう“デジタル体験”は、最先端の技術を使って、一般ユーザーが得られる新たな体験とでもいいますか…。

    SONICJAM.plus 金

    金: 弊社のサービス紹介でも“デジタル体験”という言葉を使っていますが、どちらかというと「インタラクションデザイン」の方が合ってるかもしれないですね。インタラクション、つまり自分と対象との関係性のデザインを我々はしているんだと思います。よくマジックショーに例えるんですけど、「あそこに何があるんだ?」「何が起こるんだ?」というワクワク感をいかに醸成するか。

    平尾: 画像や映像を映し出して、そこに触れたら、自分のアクションに対してデジタルの世界が変わっていく。これが今までのいわゆる”デジタル体験”だったのですが、この見せ方が一般的になるにつれて、だんだん見慣れたマジックを見ている感覚になってきているんだと思うんですよね。

    ——だからこそ、インタラクション要素を持つものが画面を超えて拡大しているんですね。

    金: SONICJAMとして、どんなトリックを見せるのか?というのがこれからの企画や制作の見せ場になってくると思います。

    平尾: 最新テクノロジーを使いながら、一般のユーザーにも分かりやすく、新鮮な体験として提供していきたいですね。

    驚きと快適さをきちんと使い分ける

    福地: テクノロジーの見せ方や体験に対するスタンスは、プロジェクトごとに違っています。私が開発に関わっている“Smart Table”は、テーブルに対する振る舞いとそれに対するアクションを紐づける、例えばテーブルをノックすると電気やスピーカーなど、身近な家電を制御するといったことができるスマートテーブルなのですが、これはサービス的な要素が強いです。

    SONICJAM.plus 福地

    福地: 例えばコーヒーが飲みたいとき、選択肢としてはふたつあって、ひとつは自分で淹れる、もうひとつは誰かに淹れてもらう。誰かに淹れてもらう場合は、家族に頼んだり、ともすれば執事を雇ったりすれば可能になりますが、そういう物理的な方法以外にも、テクノロジーの力で補うこともできる。テーブルをノックすると自動でコーヒーが出てくるようにすれば、「すぐにコーヒーが飲めてハッピー」と、「コーヒーを淹れる手間が省けてハッピー」という2方向の幸せが生まれます。
    こういうツールは、先ほどの「何が起こるのか」とワクワク感を高めるものより、日常に溶け込む形で、無意識に生活を便利にしているものの方が使いやすいですよね。

    ——あえて新しさや驚きを押し出すというより、日常生活をサポートする役割として自然に使えるように、Smart Tableにもディスプレイは付いていないと。

    奈良: トリック的魅せ方はアートの視点、Smart Tableは製品としての視点。その2つで技術の捉え方が違ってくると思います。どちらも重要な柱です。

    デジタルと人間の関係性

    ——一方で、行動をサポートしすぎると、人間の能力が下がるという議論もありますが。

    金: すでにいろんなことをPCなどに記録しているせいで、パスワードとかいちいち覚えてないですね。社員の名前ですら記憶が怪しかったり…

    ——そこは覚えといてくださいよ!笑

    奈良: 漢字も最近書けない。

    金: あぁ、手書きできなくなった!でも逆に、別のことに集中できるようになったというか、違う方向に力を使えるようになったので、できなくなることを理由にして、新しい未来の可能性を切ってしまうのは良くないと思います。
    SONICJAMで制作しているのは人間の能力に取って代わるようなものではないですが、人間とデジタルの関係がどんどん変化していく中で、常により良い関係を提案していきたいですね。
    PCが出始めた時は、ユーザー一人一人がコマンドを書いたりして仕切っていましたが、今はある程度コンピューターからリコメンドされた情報に従うようになってきていると思います。でも、そもそも人間は指図されることが嫌いで、自分でやりたがる生き物。人間とデジタルの良い関係というのは、人間がやりたいことを横でサポートしてくれる形だと考えています。

    SONICJAM.plus 奈良

    奈良: 今後やっていきたいのは、一方通行的なものではなくて、提供する体験によって、ユーザーがどう動くか、というところまで含めたUI・UXを設計することです。感動や驚きで終わりではなくて、その体験を家に持ち帰ったときに、新しい生活や行動を発想できるようなものを作りたい。それがこのチームの軸ですね。

03

Editor’s Note

 幼稚園の頃、卒園直前に熱中していた遊びは木工でした。幼稚園の片隅に木の破片がたくさん置いてあって、それをのこぎりや釘、トンカチを使って自由に切ったり組み立てたりできるという、(いくら先生が見ているとはいえ)今考えるとだいぶ大胆に思える遊びです。

 当時は、キックボードが流行り始めた時代。欲しくてたまらなかった私は、それを木材で自作しようと思いついたのです。ハンドルとボードを細い木の棒でつなぎ、あとはタイヤ…。板か角材しかなかった園の木材コーナーにはタイヤになりそうなものなんてものはなく、ちょうどいい厚みの角材を見つけてきて、角をひたすらヤスリで削っていく作戦に。

 当然ながら、正円に削りあげるのは幼稚園児には至難の技で(ずっと見守ってくれていた先生の忍耐力に拍手を送りたい)、板からニョキッと取っ手が生えたものだけを残して卒園したわけですが、「それを作って誰かと楽しく遊びたい」「それに乗ってどこかにいきたい」という想像力が、バラバラだった木を組み合わせ、来る日も来る日もコツコツとヤスリがけするモチベーションに繋がったんだと思います。

 何の話かというと、リニューアルしたSONICJAMのロゴをよく見てください。これ、積み木がモチーフとなっているんです。
 様々な形を組み合わせて、頭の中のものを作り上げていく積み木。自由に発想したものを、しっかりと組み立てていく。なにをつくろうか、こうしたらもっと面白いんじゃないか、どうしたら使いやすくなるか。そんなことをわくわく考えながら、遊び心を忘れずにモノづくりを続けていく。そんな集団であることを、改めて世の中に宣誓しているわけです。

 人間とデジタルの関係性が変わっても、モノづくりの本質はきっと変わらない。これからのSONICJAMにも乞うご期待。安心してください、キックボードのように中途半端なリリースはしませんから。
(筆:Negishi)

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