知識創造企業への(長い)道

> 知識創造企業 / 野中 郁次郎・竹内 弘高

最近、本の投稿が多いな。まあ確かに勉強欲ずっと高いですけど。
この本は有名なので持ってる人も結構いるかもしれません。持ってるけど読んでない人(自分もそうだった)も結構いるかもしれません。コツは、第三章から読み始めること。第一章〜第二章は予備知識的な内容なんですが、ここで挫折する人多数(予想)。

以下はポイントのみを抜き出したメモ。自分の備忘として書いたものなので、これを見ても意味がわからないかもしれませんが、せっかく書いたのでここにも保存しとく、と。

なんでこんなことを勉強しているかというと、やっぱり自分たちのやっている仕事が、毎回毎回ノウハウの使い捨て、みたいに思えてしまって、これだとビジネスとして成立してないんじゃないかと。また、クリエイティブの世界で、個人やフリーランスと組織の違いというか、組織の必要性を考えると、必然的にこういうところに行き着くわけです。
そうしてSONICJAMも知識創造企業への(長い)道のりを歩き始めました。来週、同志社大学の教授を招いての勉強会です(おそらく詳細は後日書きます)。さてさて、まだ道の長さも想像できませんが・・・

<SECIモデル>
— 共同化 (Socialization)
暗黙知 → 暗黙知
経験を共有することで暗黙知を創造するプロセス

 ・ホンダの開発プロジェクトのブレスト合宿
 ・松下のパン焼き器の職人の観察
 ・NECコンピューター開発での開発者と顧客との交流

— 表出化 (Externalization)
暗黙知 → 形式知
暗黙知を明快なコンセプトに表すプロセス
メタファーとアナロジーを効果的に使う

 ・RX-7のコンセプトは演繹法と帰納法の組み合わせ
 ・ホンダ・シティのコンセプト
 ・キヤノンのカートリッジのコンセプト

— 連結化 (Combination)
形式知 → 形式知
コンセプトを組み合わせて知識体系を創り出すプロセス
企業ビジョン、事業コンセプト、製品コンセプトを分析して具体化する

 ・クラフトのPOS活用
 ・アサヒビールのコンセプトとドライ開発
 ・NEC、キヤノン、マツダのグランドコンセプト

— 内面化 (Internalization)
形式知 → 暗黙知
形式知を暗黙知に内面化する
書類、マニュアル、ストーリーなど言語化・図式化
ほかの人の経験を追体験しなくても内面化できる
体験の拡大が重要

・行動による学習例:松下の労働時間一ヶ月体験

<マネジメントモデル>
トップダウンは形式知を扱うのに向いている
しかし暗黙知の成長を無視している

ボトムアップは暗黙知の処理が得意である
しかし自立性重視が共有を難しくしている

ミドル・アップダウン・マネジメント
ミドルマネジャーを知識マネジメントの中心に位置づける

ナレッジ・プラクティショナー
  第一線の社員とミドル・マネジャー
  暗黙知と形式知を蓄積、創造、更新する

ナレッジ・エンジニア
  ミドル・マネジャー
  ビジネス・コンセプトや製品コンセプトを創る
  会社のビジョンにしたがって新しい知識を創り出す

ナレッジ・オフィサー
  トップ・マネジャー
  組織的知識創造をマネージする
  Management By Walk Around
  (1)会社のグランドコンセプトを創る
  (2)企業ビジョンやステートメントで知識ビジョンを確立
  (3)知識の価値を正当化する基準を設定

<組織構造>
ハイパーテキスト型組織
3つのレイヤーが同じ組織の中に存在する

プロジェクト・チーム・レイヤー
  プロジェクトチームが製品開発などの知識創造活動

ビジネス・システム・レイヤー
  ルーティン業務を効率よく行う官僚制的構造

知識ベース・レイヤー
  2つのレイヤーで創られた知識を再分類・再構成する
  組織実態は存在せず、企業ビジョン、組織文化、技術の中に含まれている