工場の祭典2023

燕三条で行われた工場の祭典 2023に行きました。なぜか?それは工場が好きだからです。実際お客さんは新潟や長岡など近辺の町から来られる方が多く「東京から!?」と驚かれたりしました。みんなもっと行けばいいのに。

私が参加するのは2回目で、前回は2019年でした。

周りたいところがたくさんあって、予定を決めるのも大変。サイトも正直今回のは使いづらい。もうちょっと参加者に便利な機能性の高いものにしてほしかった。そこで今回は自分で日付によってレイヤーを分けたマイマップを作成しました。

2023/10/28(土)

朝10時ごろ新幹線で燕三条駅に着。そのままレンタカーを借りて出発。前回の反省としてやっぱり結構遠いところも多いので最初から車が必要と思ったのと、今回の天気(2日とも雨模様)を考えて。なんか急に晴れたり大雨になったり変な天気だったので、車と雨用の服装(North Faceの防水ジャケット)で大正解。その機動力を活かし、できるだけ遠くから周ることにする。

フチオカ

砥石や研磨剤の商社とのこと。あまり見るものはなかった。

ハイサーブウエノ

ステンレス加工の工場。コンビニのキッチンなどの受注生産。小ロットの一点ものも得意。丸亀製麺オリジナルのうどん湯切りや出汁保存機。丁寧な説明で30分ほど見学。

倉茂木工所

家具の脚・取っ手・フックなどの比較的細かい木造部品の製造。小ぢんまりした工場で4人ほどの職人さんが働いている。詳しい説明や見学はなく、遠目に眺めたのみ。

田中衡機工業所

駐車場に着いたらちょうどお昼休み時間に入ってしまい、見られず。その場で一時間待つのもアレだし、ここはあきらめて昼休み時間を利用して遠くに移動することにした。

梅ケ井食堂

次の場所の近くでお昼を食べられるところを探して発見。近くには他にあまり店はなさそうだし、メニュー豊富で近所の方々のニーズに応える店、という感じがする。みそらーめん定食でお腹いっぱい。

有本製作所

ステンレスやチタン製品の加工。主力は換気扇の部品。ちょっと機械を触らせて(起動スイッチを押させて)もらった。ブラスト体験もやればよかったかな。またチタン加工でSnowPeakのマグカップなども製造。ちなみにここのすぐ近くにSnowPeakの本社とキャンプ場があり、多くのキャンパーが聖地として訪れるだけでなく、地域の産業にも貢献してるんだなと思うとすごい。

下村工業

元々農機具を作っていたが、その後包丁 → キッチン用品 → 便利用品と。包丁の鍛造過程について資料を見ながらヘッドホンで丁寧な説明。ただ実際の作業現場はあまり見られれず。

マサコー山口木工

農工具の柄を作り続けているという、渋いというか地味だなと行く前は思っていたが、小ぢんまりとした工場を丁寧に説明してくれた。いろんな木の種類の説明や、機械の説明など興味深かった。近隣の会社からの注文が多く、年間1万本くらい作るとのことで忙しそう。ひたすら柄に特化していくのかと思いきや、自社ブランドで木の香りの香水をつくってこれから売り出そうとしているとのこと。ここを見学後次はどこへ行くのかと聞かれ、すぐ近くにE&Eがあるから行くべきだとおすすめされた。

E&E

メガネの製造。フレーム削り出しから一貫生産。自社ブランドはSAY-OH。ベテラン職人今井さんが丁寧に説明してくれた。いろいろ話しかけたが耳が遠いのか質問が聞き取れない模様。その後社長に会ったらなんとアメリカ人。興味を持っていろいろ聞いたら、面白い話をしてくれた。

元々大手製薬会社の社員として日本に来ていたが、会社が合併で巨大企業になり社内政治に嫌気がさし退職。奥さんは日本人。最初は趣味で木工部屋を作ったり、メガネの輸入販売をしていた。メガネを製造しようと思い鯖江に発注したが、分業で納期も遅くうまくいかなかったので、自分でつくることにした。フレームから一貫生産しているのは日本で4社?しかないらしく、その中でダントツで小さい会社。木工のアウトドア用品もつくっている。

日本人は自分たちの良さがわかっていない、フランス製品のたいして品質が高くないものを高い値段で買い、日本製品を安く売っている。みんなで我慢しましょうという精神がある。イタリアの工場ももはやあまり自分たちで作っていない。海外でつくったものを少し加工するだけ。外国人である社長からそんな様々なストレートかつ愛情を込めた示唆に富む話が聞けた今回の旅の最大のハイライト。

ここで16時過ぎになり、次へ移動しようとするが、だいたい17時ごろにはどの工場も作業終了するため、あきらめてホテルへ移動。

ホテル燕ヒルズ

ヒルズって何が?と問わずにはおれないネーミング。部屋は喫煙しか空いてなかったが、この日は音楽イベントなども開催されていたせいか、燕三条のホテルがすべて満室で仕方なく吉田駅近くのここにするしかなかった。

海が大すき

ホテル近くの居酒屋でひとり夕食。ブリの刺し身最高。新潟(日本海側)のブリは本当にうまい。また蟹わっぱは新潟ならでは。コスパのよいお店だったが、なぜか出てくるのが異常に遅い。1時間半でぶりとししゃもしか来ず、お茶を頼んだら30分くらいかかった。

2023/10/29(日)

WAAS FACTORY

予約での体験のみで見学とかは無いようだった。

ミノル製作所

ヘラ絞りを見学。絞りから着色までの工程を丁寧に説明してくれた。中・大規模の案件は狙わず、少数案件を狙っているとのこと。今回プレゼンテーションは銅の加工だったが、ステンレスやチタンもあるとのことで、特にチタンは硬いし焼入れ(?)の工程は外部にお願いしなければならないので大変だそう。

一菱金属

conte というステンレスの台所用品ブランドを展開。工場見学などは無く、店舗(ショールーム)のみ。最近できたようで広くてキレイ、おしゃれな建物。儲かってるんだなー。他にもいくつかの工場は自社ブランドで成功していて工場やショールームも整備されている。でもそういったところはそんなに多いわけではなく、ほとんどの現実は大変なのかもしれない。

MGNET

燕・三条で生産されたものを中心としたショップ。ワークショップなども開催している。

朝倉家具

国産の木材にこだわる。元々は桐箪笥メーカーだったが、今は家具や小物をつくる木工メーカー。環境を考えたスノービーチというブランドはコンセプトもいいし、節の入った木の家具がいくつかあるとなんか自然の中にいる感があっていいなと思って気に入った。

しかし、工場は広いが稼働している機械や職人はあまり多くないようだった。やはり木工メーカーも厳しいのではないかなあ。

イシモク

桐を使った木工製品。ここも元々桐箪笥メーカーだったようだが、今は桐に特化した新製品をいろいろ開発中。スツール、まな板、サウナ用具、水槽台、スピーカー、犬の歩行器具・・・

三条特殊鋳工所

14時からの見学が最後で、その時間を過ぎており見学はできなかった。調べたら、前回来たときも時間を過ぎていて見学できなかった。

鍛冶ミュージアム / 三条鍛冶道場 / 三条スパイス研究所

建物は併設されている。ミュージアム兼図書館と、鍛冶体験ができる道場と、スパイス研究所はカレー屋。

 

全体的にはやっぱりものづくりはいいなという素朴な感想と、やっぱり厳しいんだなという現実と、こんなこともできるんだという希望と、いろいろ入り混じって感想がまとまらない。でもやっぱり来てよかった。

 

※写真はE&Eのクリス社長とわたくし